報道の自由は民主主義社会に不可欠な権利です。しかしその自由は、公平性と正確性の上に成り立つものであり、事実を歪めたり、対立を煽るような報道は読者の信頼を損ないます。
本日(2025年9月11日)の沖縄タイムス紙に掲載された「ホエールウォッチング協会の県への要請」に関する記事について、私たちは報道内容に強い意図性を感じざるを得ません。
- 高速船とクジラ衝突に関する事実
2009年、船舶設備規程の改正により、水中翼型超高速船の椅子席にシートベルトの設置が義務化されました。
この改正以降、船会社は法令を遵守し、2019年以降は衝突による負傷者の報告はありません。
過去に負傷者が出た事例は、シートベルトが普及していなかった時代の話であり、現在は安全対策が大幅に改善されています。
また、記事に引用された2007年の韓国・未来高速社の事故では、1名死亡・27名負傷という被害が発生しましたが、これは乗客がシートベルトを着用していなかったことが大きな要因であると報告されています。この点も報道では正しく説明されるべきです。
- 海洋生態系への影響について
記事では「高速船がクジラの生態に影響を与える」との言及がありましたが、科学的根拠は確認されていません。
むしろ、国際的な研究者や笹川平和財団などの報告では、ホエールウォッチングやホエールスイムこそが、クジラの行動や生態に影響を与える可能性が懸念されていると指摘されています。
このような議論は、科学的エビデンスに基づいて公平に行われるべきです。
- 協議会のあり方について
ホエールウォッチング団体が提案する「県や国を交えた協議会」について、私たちはその設置の是非にコメントする立場にありません。
しかし、仮に協議会が設置されるのであれば、高速船だけを対象にするのではなく、ホエールウォッチングやホエールスイムも含め、科学的根拠に基づいて議論が行われることが必要です。
- 報道姿勢への懸念
今回の記事全体からは、私たちとホエールウォッチング協会の間に意図的に対立構造を作り出そうとする編集方針が感じられます。
私たちはそのような煽動的報道に安易に反応することはありませんが、会社は株主・関係機関・地域社会の信頼に支えられており、意図的に事実が歪められた報道に対しては、今後も毅然と対応し、事実を丁寧に説明し続けてまいります。
本日も久米島町長・町議会、本部町長に対して現状をご報告しました。関係自治体・関係機関には、職員が丁寧に事実関係を説明しております。
私たちはこれまでも、そしてこれからも「誠実な説明責任」と「事実に基づく情報提供」を徹底し、地域社会と共に信頼を築いてまいります。

